2012年6月1日
2012年5月25日に公表されたCDCの情報によりますと、米国では、高い予防接種率と効果的な公衆衛生対応によって、2000年に麻しん排除を宣言し、一年中発生することはありません。しかし、麻しんは、ヨーロッパ、アジア、大洋州、アフリカの一部地域では、まだ普通にみられる病気です。予防接種を受けていない渡航者は、麻しんに感染して、予防接種を完了していない家族や友人に拡大させるリスクがあります。このリスクを避けるため、すべての渡航者は、渡航先にかかわらず、予防接種歴を確認しなければなりません。麻しんは最も感染力の強い病気のひとつであり、国内旅行であっても、航空機内や飛行場で感染を受けることがあります。
ヨーロッパ
ウクライナ保健省は、今年に入って9,173例の麻しん疑い患者を報告しており、そのほとんどは、西部地域で発生しています(2012年5月14日現在)。ウクライナ保健省は、予防接種計画、サーベイランス、報告を含む麻しん予防対策を強化していると報告しています。CDCは、ウクライナで開催されるUEFA欧州選手権2012(UEFA Euro 2012)に行くすべての渡航者に対し、麻しんの予防接種を受けるように勧めています。
ルーマニアでは、今年に入って1,268例の麻しん患者が報告されています(2012年5月23日現在)。ルーマニアでは、2011年の1年間に4,015例の麻しん患者が報告されました。
フランスでは、今年に入って358例の麻しん患者が報告されています(2012年5月23日現在)。フランスでは、2011年の1年間に15,206例の麻しん患者が報告されました。
英国では、今年に入って1,279例の麻しん疑い患者が報告されており、そのほとんどは、リヴァプール(Liverpool)、 ノーズリー(Knowsley)、セフトン(Sefton)で発生しています(2012年4月29日現在)。英国では、2011年の1年間に1,083例の麻しん患者が報告されました。CDCは、ロンドンで開催されるロンドンオリンピック、ロンドンパラリンピック、ウィンブルドン選手権に行くすべての渡航者に対し、麻しんの予防接種を受けるように勧めています。
スペインでは、今年に入って182例の麻しん患者が発生しており、イタリアでは、今年に入って133例の麻しん患者が発生しています(5月23日現在)。
ヨーロッパ、アフリカ、アジアへの渡航者は、米国での輸入例の発生源になっています。特定の多発地域は移り変わりますが、すべての渡航者は予防接種を受けることによって身を守らなければなりません。